桜の約束
「守、これとこれは2ヶ月前のプリントだよ?まだ残しておくの?捨てていいやつだよ」
机の上から数枚のプリントを取り、ひらひらさせながら分別して行く。
「い、今から捨てようとしてたんだよ!」
十夜の手からプリントを少し強引に取り、ゴミ箱に突っ込んだ。
なんでこんな余計なことを…!
別に、片付けてくれるのはありがたいのだが、考えてることがわかりにくい十夜にしては珍しく、俺のことをかなりバカにしてるのがわかる瞬間なのだ。
「これは?守」
「ぬぁ⁉︎それはダメだ!」
驚きすぎて、変な声が出る。
十夜が手にもっているのは、ここ最近行われたテストだった。
そこまで悪くはないのだが、見せびらかすのはやめてほしい点数。
飛びつく様にして取り、破り捨てる。
「あ」
「へ?」
「それ、次の授業で使うらしいよ?」
「もっと早く言えよ!」
慌ててゴミ箱から取り出し、机の上のゴミの塊のような山に埋められたセロハンテープを引っ張り出してそれで貼り合わせた。