桜の約束
「さて、と。オレはもう帰ろうかなぁ」
「え、もう帰るのか?」
来るのは嫌がったくせに、帰るのは引き止めるという…うーん。
矛盾だが、仕方ない。
「なにぃ?オレにもう少しいて欲しいの?」
「は?バカ、んなんじゃねぇよ!さっさと帰れって!」
「素直じゃないねぇ。守は。
まぁ、守の言う通り早く帰りますよ〜。
明後日、学校でね。…あ、明日も桜の木の下にいるなら会うかもしれないけどねぇ」
「おう。一応、また明後日な」
立ち上がって、扉を開ける。
出て行く時ぐらい自分で開ければいいのに、出る時も律儀に俺が開けるのを待っていた。