桜の約束




君はふわりと微笑んだ。



「初めまして
私は淡井 桜。
私の方こそ、よろしくね」



君が手を伸ばして、俺も手を伸ばして、しっかりと手を握る。



それはなんの意味も無い握手だったけれど、俺の握る手を失った右手に、握っていたものが戻ってきたような安心感があった。



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