桜の約束




自分の図々しさと、でもこれから積み重ねることができるであろう記憶に、泣きながら笑った。



自然と、笑った。



それから、電話を切ってホッと息を吐いた。




ずっと息を吐いていなかったみたいに、息を吐くと楽になった。



私、野上くんと話せた。



それが、とでも嬉しい。



携帯で時間を確認すると、結構時間が経っていた。



お母さんに早く帰る、って言っているから慌ただしく帰る。



いつもよりも軽い足を、ルンルン気分で持ち上げてふわふわとした気分のまま道を歩いた。



その日はずっと、浮かれ気分だった。



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