桜の約束
眉間にしわ。
多分、本人は気づいてない。
緊張してるのかな。
何を考えているの。
…もし、記憶があったら。
あなたの考えてること、わかったのかな。
わからないか。
私と、丁度私の足で3歩分の間を空けて立ち止まり、野上くんは眉間のしわを解して、にこりと微笑んだ。
気のせいかもしれないけど、その笑顔はどことなくさみしそう。
それでも、ちゃんとした笑顔を私に向けて、口を開いた。
「初めまして
俺の名前は野上 守。
友達から、お願いします」