桜の約束
「なんだ、亜美か…」
むむ。なんだその残念そうな顔。
「あたしで悪かったね!」
いらっとして言うと、守が苦笑した。
「ごめんごめん、別に何も悪くないよ」
「今日もここにいるんだね。
いつまでいるの?」
「もちろん、今日もここにいるよ。
…いつまで、だろう。いつまでだっているかも」
十夜とは違う、暖かさを感じる微笑みを見せて、話す。
その目はあたしを捉えてなくて、なんだか悲しいよ。
ん?いつまでだって、いる?
「…え」
「あ、ごめん。流石に冗談だ。
桜が来るまで、俺はずっとここにいたいんだけど無理だからさ。
とりあえず、2人がもう一回こことおるまではいるけど」
「…そ、か」
近くに見える桜の家の方を見て、さみしそうに笑う。
守はずっとここで桜を待ってる。
でもさ、きっとこないよ…桜は。
絶対、じゃないけどね。