桜の約束

「桜…」



「え？」



ぽけ〜っとしてるから、びっくりさせないように気をつけて声のトーンを落とした。



でも案の定、桜はびくっと震え、あたしの方を見た。



うーん。びっくりさせちゃったか。



今度はびっくりさせないように気をつけないと。

その今度、がいつ来るか分からないまま教訓とすることにした。



「遊びに来たよ〜」



なにしに来たんだろ？みたいな顔してるので、優しいあたしがご説明。

…説明、ってほど喋ってないけど。



それにしても、窓の外って…なに見てるのかな？


気になったので、そのまま実行に移す。



窓の外を覗けば、そこにはよく見知った人。

守がいた。



「ん？…あー、守を見てたの？」



「…うん」



顔をほんのりと赤く染め、恥ずかしそうに返事を返す。



うーん、なんていうか…。



「やっぱり、記憶がなくても守を追うんだね。あんた、守大好きだもんね」