体育館12:25~それぞれのみる景色~
困っているだろう彼女の元に急いで行こうとしたけど、近付いてからその様子が変なことに気が付いた。
俺以外の男に話しかけられてへらへら笑っている彼女には腹が立つけど、どうもその男の様子が変なのだ。
なぜか引きつった笑みを浮かべているし、落ち込んでいるようにも見える。
一体どうしたんだ……?
「あ、恭也くん! 遅かったねー!」
なんて、俺の姿に気が付いた彼女は無邪気に手を振ってくるわけだけど、その声で男2人もこっちを向いた。
ああ、やっぱりチャラそうだ。
高1の時の慶と同じレベルでチャラそうな雰囲気。
そいつらを一睨みすれば、あからさまに引きつった顔で、去って行った。
追っ払えて一安心。
ふっと一息つくと、彼女が俺のすぐ傍まで駆け寄ってくる。