体育館12:25~それぞれのみる景色~

「佐伯先輩、あの……」


「宮下さん、今までもあいつとあんなふうに仲良くしてたわけ?」


「え?」


 私が何かしちゃったのかと思って聞こうとしたら、佐伯先輩に話を遮られてしまった。


 というか、あいつって?


 あんなふうにって、何のことだろう?


 いきなりそんなことを言われて、正直戸惑った。


「あー……最悪、俺。ごめん、宮下さん。今の忘れて」


 考え込んでいると、佐伯先輩は突然顔を突っ伏してそんなことを言った。


 というか、全然意味が分からなすぎる。


 佐伯先輩らしくないその姿に、どうしていいかわからない。


「え、あの、佐伯先輩っ? どうしたんですか……」


「お待たせいたしました、ロイヤルミルクティーでございます」


「あ、はい……」


 タイミング悪く、店員さんがさっき頼んだミルクティーを運んできた。


 ううう、もうどうしたらいいのかわからない。


< 26 / 133 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop