体育館12:25~それぞれのみる景色~
「佐伯先輩、あの……」
「宮下さん、今までもあいつとあんなふうに仲良くしてたわけ?」
「え?」
私が何かしちゃったのかと思って聞こうとしたら、佐伯先輩に話を遮られてしまった。
というか、あいつって?
あんなふうにって、何のことだろう?
いきなりそんなことを言われて、正直戸惑った。
「あー……最悪、俺。ごめん、宮下さん。今の忘れて」
考え込んでいると、佐伯先輩は突然顔を突っ伏してそんなことを言った。
というか、全然意味が分からなすぎる。
佐伯先輩らしくないその姿に、どうしていいかわからない。
「え、あの、佐伯先輩っ? どうしたんですか……」
「お待たせいたしました、ロイヤルミルクティーでございます」
「あ、はい……」
タイミング悪く、店員さんがさっき頼んだミルクティーを運んできた。
ううう、もうどうしたらいいのかわからない。