体育館12:25~それぞれのみる景色~
……やっぱり、片道2時間の距離は、とっても遠い。
会いたいときに会えないのは、声を聞けないのは寂しい。
たくさん不安にもなる。
だけど。
「亜希を不安にさせるようなこと、しないから。安心してて」
私の気持ちをくみ取ったかのようにそう言う彼が。
「俺はいつ亜希がほかの奴に持ってかれるんじゃないかって、いつもひやひやしてるけど」
そんなありえない心配事をする彼のことが。
「俺も不安になることあるけど、これからもずっと好きだから」
気持ちを言葉にしてくれる彼のことが。
私は、とっても愛おしい。
なかなか会えなくても、心は繋がっているんだって。
同じ気持ちで繋がっているんだって、わかったから。
きっと、何も心配することなんてないよね。
そんな大好きな彼に伝えたい。
これからもずっと、「大好きだよ」って。
「2か月、おめでとう」
夕日を背に、見つめあって微笑み合う。
この時間がいつまでも続くことを願って。
私は今日も明日も、これから先も。
ずっとこの人を好きでいるんだろうな、って。
そんな、確信めいた予感を胸に抱いていた。
【end】