体育館12:25~それぞれのみる景色~
「こうやって学校で2人で話すのとか久しぶりだね」
「んー、そうだな」
にこにこ嬉しそうに笑う亜希に、俺は曖昧に微笑み返す。
他愛のない会話を楽しみたいとこだけど、それどころじゃないっていうか。
んー、どうやって切り出すかなあ……。
「家に来てご飯食べるの、久しぶりじゃない? みーくんちとうちの合同夕ご飯、楽しみだなあ」
「ん、そうだな」
そうそう、今日は久しぶりに亜希の家族と俺んとこの家族の予定ががっちり合ったってことで、一緒に夕飯を食べることになったんだよな。
こっちに住んでた5歳の頃まで、そういうことはよくあったみたいだし、なんとなくは覚えてる。
最後に亜希の家族と夕飯を食べたのは、俺がこっちに戻ってきた最初の日だったな。
それにしても、亜希はほんとうに嬉しそうな顔して笑ってる。
「ふふふ、ほんとに楽しみーっ」
「……そーだな」