今さら恋なんて…
「そっか。…んじゃ、今はその時よりは、シゲに興味出てきたんだね?」
「……」
「まぁまぁ、照れるなって。…シゲは輸入商だよ。色々パイプ持ってて雑貨から…それこそワインまでいいもの輸入して売ってるんだ」
マスターはあたしのワイングラスを指さしながらそう言って笑った。
「……」
「俺もワインはシゲの会社から仕入れてるよ」
「……」
「何?どーした?つーちゃん」
「…信じられない…」
「ま、まぁ、そうかもね。会社立ち上げてからしばらくは海外飛び回ってて、日本になんてほとんど居なかったけど、今は何かよっぽど大きなトラブルがない限りはあいつが現地に行くことはなくなったからね」
「……」
結婚するの忘れてた、って言ってたシゲハルの言葉に…納得してしまった。