今さら恋なんて…



「つーちゃんから見ればかなりのオッサンだけど、あいつはいいやつだよ。つーちゃんさえよければ、もうちょっと仲良くしてやってよ」


「……」


返事に困っていると、

「誰がオッサンだ。お前に言われたくないよ」

って、声とともに、隣に感じた気配。


「…シ、シゲハル…」


「よぉ。つー。今日もいい女だな」

シゲハルはあたしの横に腰を下ろすと、ニヤリと笑った。


「今日も…って…さっき会ったじゃん…」

あたしはシゲハルから目を逸らしてそう呟いた。


そう。

カフェで遭遇したのはついさっきのこと。


あたしはカフェを飛び出したその脚で、ここに来たのだ。


「え?さっき会ったの?」

マスターの突っ込み。


「ああ。カフェでフェロモン振りまいてた」


「誰がよっ」




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