今さら恋なんて…
「もう45だよ、来年にゃぁ」
「それでもまだ全然働き盛りじゃん」
「毎度毎度俺のことジジィ呼ばわりしておいて、そういうこと言うのか、お前…」
シゲハルは、そう言って苦笑いを浮かべる。
「…悪かったわね。あたしより年上なんだから仕方ないじゃない…」
「そうだな。その辺の親子ぐらい年離れてるからなぁ、俺達」
シゲハルはそう言って笑うと、“アイス・ブレーカー”を飲んだ。
「そうよ…」
あたしは何故だか、少し傷付きながら…ワインを飲む。
“子供扱い”された気になったから…かな…。
そんなあたしの様子を見て、シゲハルは優しい笑顔を浮かべると、
「安心しろよ。俺にはつーは“女”にしか見えてねぇから」
って呟いて、あたしの肩をそっと自分の方に引き寄せた。
「!……離してっ」
「何だよ。いいじゃねぇか」
「よくない!」
あたしは子供みたいにムキになって言い返す。