今さら恋なんて…
「まぁ、俺に相談したのは正しい判断だったかもな」
「……はい」
あたしは自分が情けなくなって、思わず俯いた。
上司である店長に、何てバカらしい話してたんだ…。
店長は店終わった後、わざわざ時間取ってくれたのに…。
「…本当は分かってるんだろ?本気で口説かれてること…年が離れすぎてるから、とか余計なこと考えて自分の気持ちにフタしてんだろ」
「……」
「プライベートも充実してないと、好きなはずの仕事もつまらなくなるぞ?」
「……」
「前園?」
「店長に話して…よかったです」
絞り出す様に呟いたあたしに、店長は柔らかく微笑むと、
「当たり前だ。年長者舐めんな。さっさとケリつけて店長試験に集中しろ、バカ」
って、笑い飛ばしてくれた…。