今さら恋なんて…
「店長もいい加減掛け直してみたらどうですか?ずっと同じ番号から掛かってきてる、ってことは間違い電話じゃないんでしょうし…。それに、もう電話が来だしてから半月くらいになるんじゃないですか?」
央輔はチラリ、とカレンダーを見て、そう訊く。
「うん…。掛け直そうとは思ってるのよ?でも…」
「忘れちゃうんですね?…相手も不憫だなぁ…店長、留守電も契約してないし…」
「そうなのよね…不思議と夜中とかは掛かってこないし…」
「昼間しか掛かってこないなら…永遠に繋がらないですね、その電話」
央輔はあたしのケータイを指さしながら目元をくしゃくしゃにして笑う。
「うるさいなぁ…」
「案外、旦那さんの元カノとかだったりするかも、ですよ?」
「はぁ?恨まれる覚えないわよ!あたしとだって会う時間ないのに、どっかの女と遊んでるとかあり得る!?」
あたしは思わずそう央輔に噛み付いた。