今さら恋なんて…
deux ~パニック・モーニング~
「……ん」
現実世界に引き戻されて身じろぎすると、シーツが擦れて音を立てた。
「……」
あれ…?
重い瞼を開けると、目の前には真っ白なシーツ。
窓からはキラキラと太陽の光が降り注いでいた。
「……」
もぞもぞと起き上がると、あたしは紺色のバスローブを身につけていて…。
「…ってか…ここどこだっけ…?」
途切れた記憶の糸を必死にたぐり寄せる。
昨日は龍哉と飲んでて…シゲハルのこと、全部話した…。
んで、龍哉と…シーフォートのスイートに泊まることになっ…
「龍哉?」
部屋を見回すが、龍哉の姿はない。
代わりに、床にはあたしの着ていた服やハイヒールや荷物が散乱してて…。
「!」
ま、まさか…龍哉の前でも全裸になったわけじゃないよね!?あたし!
どんどん冴えていく頭と反して、恐怖で冷たくなる指先。