今さら恋なんて…
trois ~突然のお誘い~
あー、疲れた…。
日曜日の営業を終えて、店を出たあたし。
家の方向に歩き出した時、
「こんばんわ」
って後ろから声を掛けられた。
「……えっ!?」
振り返ってびっくり。
そこに立っていたのは、人のいい笑みを浮かべた龍哉だったのだ。
「りゅ、龍哉っ。どうかしたの?」
あまりにびっくりしすぎて、声をひっくり返しながらあたしはそう訊いた。
すると、龍哉は少し悲しそうに笑って、
「ケータイ。見てください」
って囁く様に言った。
憂いを含んだ表情すら見とれる程綺麗だ…。
「あ、え?…ケータイ?」
今日もバタバタしてて…全然ケータイなんて見れなかったから…。
あたしはカバンを漁り、ケータイを取り出す。