今さら恋なんて…
six ~再びの場所へ~
「……何か、すごいことになってるけど…」
「…そりゃ、そうですよ。司さんが原因ですよ?」
「は?知らないし…」
「…嘘でしょう?あんな目立つことしておいて…」
「あたしが悪いって言うの?」
「…そうじゃありませんけど…」
そう言って唇を少し尖らせたのはアタルだ。
ここはシーフォートのコンシェルジュカウンター。
何故だか…あたしは2週連続で日曜の夜にシーフォートを訪れる、って事態に陥っていた。
「…みんなの視線が痛いんだけど…」
「それ分かっててよくここに座っていられますね…」
「ホントなら座っていたくないわよ。龍哉に“ここで待ってろ”って言われたんだから仕方ないじゃない…」
「……」
アタルは苦笑いを浮かべて、あたしの背後をちらりと見た。
「…みんな…めっちゃ興味津々な目で司さんのこと見てますよ…」