今さら恋なんて…
そう。
あたしがシーフォートに入った瞬間から、フロアのスタッフ達の視線がずっと突き刺さっているのだ。
もちろん、スタッフ達だってプロだから…他のお客さんにそれを気付かれることはない。
だけど…あたしの一挙手一投足がみんなに見られているのが痛いほど分かる。
「この前…調子乗るんじゃなかった…」
ぼそり、と呟いたあたしに、アタルはまた苦笑い。
「もう、あれで完全にシーフォートのスタッフは司さんのこと、“遊川の彼女”だとインプットしましたからね…」
「……それって、いいことなの?悪いことなの?」
「……さぁ…?」
アタルの言葉にあたしは思わずため息。
「…もうアフィニティに飲みに行けない…」
「え?そんなことないですよ」
「だって…」
「司さんはシーフォートに“入り浸る”んですよね?」
「……」