今さら恋なんて…



「だから、いつでもいらしてください」


「……」


「…正直、みんな仕事が忙しすぎて“出会ってる”ヒマさえないから…単純に羨ましいだけなんだと思いますよ?」


「……」


「もちろん、司さんが綺麗だから、って言うのもありますけどね」


「…綺麗じゃないよ」


「そんなことありませんよ」


「……」


何か…外堀固められる気がする…。


龍哉は…あたしと付き合いたいの?


ホント…分かんない…。


そこへ、

「お待たせしました。司さん」

って、龍哉の声。


衆人環視の中待たされた恨みを込めて、がばっ、って思い切り振り返ると、龍哉の隣には、あたしと同じ年くらいのボブカットの女性が立っていた。


「……」


誰?


思わずぽかん。



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