今さら恋なんて…
quatre ~モヤモヤ~
央輔に話を聞いてもらう、って決まってから…あたしの気は抜けてしまったようで…それからはいつも通り働いていた。
…でも…そんなあたしにいきなり爆弾は降ってきた。
「え?」
「“え?”じゃないわよー。わたし、彼氏と別れたんだってば」
「そうなんですか?“すごくうまくいってる”ってこの前話してたのに…」
あたしはお得意様の髪をカットしながら、そう呟いた。
先月来店した時には“3ヶ月経ってもまだラブラブ”なんて話してたのに…。
…確か、彼氏は3つくらい年下、って言ってた気が…。
「そうなのよ。最初は良かったんだけど…やっぱり…」
「やっぱり?」
「年下はダメだね。…何て言うか…頼りない、って言うか…」
「……」
「優しいのも最初だけだったし…」
「……」
「それに…わたしと会ってる間も若い女の子の方ばっかり見てて…」
「……」