我が家で毎日起きること*その2

問題はローリエじゃない

いーさんは、月1でお料理教室に通っています。
東京ガス主宰の、一回千円のお得なやつ。

で、行くとね、一人で習ったものを作れるようになるんですよ。

私が料理をしている横でいーさんの繰り出す

「こさじってこれだっけ?」

とか

「お砂糖どこにある?」

とかのライトな質問に答えているだけで一品おかずが増える夢のようなシステム。

ちびっこの『お手伝い』とは名ばかりの、手間倍増、気疲れ倍増、時間もかかるし、んもーあっちいっててー!!でもこれって食育には必要なのかしら?好奇心、自尊心とかに、関わるのかしら?!きーー!!……みたいなストレスが全くない。

ただね、問題はその、手前にあって。

いーさん、基本的に真面目なんですよ。長女だし。

塩少々、と塩ひとつまみ、の違いをきちんと守るくらい。

だからね。

……材料から揃えちゃうの。

主婦ならさ、例えば材料がスパムなら、ここには売ってないしー、ハムでもいいじゃん、とか。
マッシュルームなら、あら今日はぶなしめじが安いからこっちで、とか。
臨機応変にできるじゃないですか。

今日はね、ミネストローネを作ってくれるとかで。
一緒に、買い物に行ったんです。

いーさんは、材料を全部写したメモを片手に真剣そのもの。

~材料の中で家にあったもの~

トマト缶、玉ねぎ、にんにく、固形ブイヨン、塩、砂糖、油

~材料の中で買い足すもの~
ズッキーニ、パプリカ(黄)、ベーコン、ローリエ


もーね。
パプリカも、赤ピーマンあったからそっちでいーじゃん、って言ったんだけど(赤ピーマン5個で100円、パプリカ1つ200円)、ミネストローネ自体が赤いから、黄色が映えるんですと。
買いましたよ、国産パプリカ。


で、家に帰って、チマチマと、作ってくれて。
その間にこっちは食堂の、おばちゃんばりに他のおかずを仕上げていくわけですが。



いざ作り進めていくうちに……ローリエ買うの忘れたことに気づいて、いーさんこの世の終わりみたいになってたんだけど。

あの葉っぱの為にまた買い物とか、無理だから。
結局旦那が
「最後のお塩を、代わりにハーブソルトにすれば、ローリエみたいにいい香りがつくんじゃない?」

なんて、乙女心をくすぐるナイス提案をしてくれて、いーさんの『習った通りに作りたい』欲も満たされ。

さすがに『小匙2分の1』とかの指示を守ったミネストローネは美味しくて、家族皆でおかわりして幸せ気分で。

だからさ。
『固形ブイヨン』だ、と偽って、固形コンソメを渡したことは、内緒にしようと思うの。

美味しかったしさ。
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