クールな彼と放課後の恋
理科の授業が終わり、香穂ちゃんと教室に戻る私。



「びっくりしたね~まさか柔道部の男子と、実験のペアになるとは思わなかったよ…いい人たちだったけど♪」

「ね!テキパキやってくれたから、早く終わったね♪おかげで自由時間たくさんあったから、ヅラにゃんこ戦争やり放題♪」

「そうだね~!あ…」

「ん?」


香穂ちゃんが、歩きながら前の方を見て、ピタッと目を止めた。

不思議に思いながら、香穂ちゃんの目線をたどると…








「キャハハハ♪」

「ウケる~」


私たちの数歩前には、稲瀬とおジャマ虫…あとさっき実験でペアを組んでいた女子2人が歩いている。



げ、最悪…




「ちょっと…スピード落とす?」

「うん…ごめんね!」


香穂ちゃんと小声で話し、歩くスピードを若干落とす私たち。その時…




クル…


!!!!


目の前にいた稲瀬が、突然後ろを振り返り、私とバチッと目が合った。




ななな、何っ!?


私はとっさに、横にいる香穂ちゃんの方に首を向け、稲瀬から目を思いっきりそらしてしまう…




あーもう…

何やってんだ、私…




「陽葵ちゃんっ…前!」

「へ…?」


香穂ちゃんが私のワイシャツを引っ張り、目で何かを訴える。

ゆっくりと、目線を前に移すと…





うお!


前から、稲瀬が私に向かって歩いてくる…




わわわ!

どうしようっ
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