クールな彼と放課後の恋
「…そうなの?」

「あ゙…」


しまった…!

今朝は『いつもこの時間に起きてる』って、稲瀬に言ったんだった…




「お、お弁当とか張り切っちゃったんだよね…だから早起きして…それだけ!それだけだから…」


ごまかしながら、嘘でも本当でもないことをペラペラと話す。

本当は、稲瀬にスッピンとかジャージ姿を見られたくなかった…なんて言えない。




「…そっか」

「そ、そうなの」


稲瀬は少しだけ微笑んだ。

ふう、なんとかごまかせた…





「委員会行ける?」

「あ、うん!行こ!」


私と稲瀬は、裏庭の花壇へ向かった…









「やっと来た!いつまで寝てんだよ、藤川っ」



げ!


裏庭に行くと、花壇に永井が座って漫画を読んでいた。

私の顔を見るなり、永井はブーブーと文句を言ってくる。



な、なんで永井が!?

サイテー!




「聞いてんのか?」


う…


私に近づいてくる永井。

私は稲瀬の後ろに隠れる。




「隠れんじゃねーよ!ちょっと話があるから、出てこい」

「な、なんで私があんたとっ」


話なんか!




「なんだとーお前…」

「諒。あんまいじめんなよ」




稲瀬が、永井に苦笑いを浮かべて言った。
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