クールな彼と放課後の恋
「ありがとうございました~」


ドラッグストアで鎮痛剤を買い、稲瀬と店を出る私。





「バイトで疲れてるのに、ごめんね…」

「俺のことより、自分のこと心配しろ」

「…」


頭痛なんて嘘ついて…本当ごめんなさい!

でも、稲瀬のことが心配で飛び出したなんてことは…言えません。


帰り道、家に着くまでの間…ずっと反省していた。











「…はぁ」


自分の部屋のベットを上で、大きなため息をつく。


帰宅後

稲瀬にすぐに寝るように言われ、私はいつもよりかなり早い時間にベットに入った。

買った鎮痛剤を飲むようにも言われたが、飲んだことにして…ポーチにしまった。



こんな嘘つかなかったら、稲瀬の夕飯のしたくは私がしていたはずだったのに…

今日その役目は、日向になった。

稲瀬の初バイトだったから、今夜の夕飯はちょっと豪勢にしたのになぁ…


私のバカ。

やっぱり嘘ついたから、バチが当たったのか…


嘘なんて、つくもんじゃない。






ごそごそ…


枕元で充電しているスマホを見る…





10時か。


まだ、みんな余裕で起きてるよね。

夏休みだし…



リビングで、みんなでテレビ観てるんだろうなぁ。


うう、悲しくなってきた…




なんで、家を飛び出したりしたんだろ?

稲瀬がいないだけで、あんなイタイ女になっちゃうわけ私!?



恋って、楽しいけど…

不安になると、一気に自分を見失ってしまうかも…




ピザ屋から、稲瀬と斉藤さんが出てきたのを見た時…

多少なりともショックだったし。


結果的に、斉藤さんはいい人だったけど…

もしかしたら、稲瀬は斉藤さんのこといいとか思ってるのかも。

もしかしたら逆も…




あーだから!




私はガバッと起き上がり、テーブルに置いていたペットボトルの水に手を伸ばした。
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