クールな彼と放課後の恋
落ち着こう…

私、なんかおかしくなってる…


稲瀬がバイト始めたから、急に稲瀬との距離を感じてるんだな。





ちょっと前までは、割りと距離を感じてたのにな…



お互いのお母さんが知り合いで…

しかも仲良くて、これから仕事も一緒にするなんて…

考えもしなかったな。





だけどよく考えてみると…



偶然が重なって、ちょっと幸せボケしてたのかもな。


こんなふうに、好きな人といられるなんて…そんなことって普通はありえないよね…



私が稲瀬の近くにいれるのは、

本当にまれなことで、贅沢で幸せなことなんだ…


委員会も一緒で、

一緒に住んでるから…


稲瀬にとって、自分はさも特別な存在かのように思い込んでたのかも…

マジで勘違いだよね…










コンコン





すると、部屋のドアをノックする音が…

私は水を置いて立ち上がり、そっとドアを開けた。





ガチャ…






「あ…」

「…よう。具合ど?」

「稲瀬…」



ドアを開けると稲瀬が立っていて、私にペットボトルのスポーツドリンクを差し出した。





「ありがとう…」


突然稲瀬が来たことと優しさに、胸がぽわっと温かくなった。
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