クールな彼と放課後の恋
頼むって…




「…いいの?」

「ああ。俺もその方が助かるから…夏休みなのに仕事増やしちゃって、ごめん」

「そんなっ!全っ然オッケ~!私料理好きだし、お弁当作りも大好き!…なので…」


本当は稲瀬のためにお弁当作りたい!って言いたいとこだけど、そんなことは言えない…

だから、自分は大の料理好きという設定にしておこう。


ま、本当に料理は好きだけどね♪






「…そっか。ならよろしく」

「うん!あ!これ本当ありがとう!」


もらったクーポンを稲瀬に見せ、お礼を言うと、稲瀬は優しく微笑み、自分の部屋に入っていった。

私は部屋のドアをそっと閉めて、クーポン券を持ったまま、ベットにゆっくりと横になる…





『お前…この前デリバリーのピザ頼んだとき、そのトッピングのピザばっか食べてたろ。だから貰ってきたんだ』


さっき稲瀬に言われたことを思い出すと、思わずにやけそうになってしまう…




今回は…

ちょっとうぬぼれてもいいのかな…


うん。

イタくない程度ならいいよね(笑)




さっきは…

もう幸せボケなんてするもんか!って、心に固く誓ったけど…



ちょっと…

ちょっとだけなら…


幸せボケもいいかも。




私は、稲瀬から貰ったクーポン券をそっと握りしめ…

自分の財布にしまった…




今日は上がったり落ちたり…そしてまた上がったりの1日たったけど…

最後はいいことがあったから…

ま、いっか☆



夏休みが2週間ほど過ぎた日の…

そんな1日の出来事でした。
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