クールな彼と放課後の恋
「並んでるな」

「…混んでるね」


ヅラにゃんこカフェは大人気で、20組くらいの行列ができていた。

列の最後尾に並んだ私と永井くん。

その時、私たちの繋いでいた手は自然に離れた…



永井くんと繋いでた方の手に、まだ繋いだときの感触が残ってる…

男の子と手を繋ぐのって、あんな感じなんだな…





「ヅラにゃんこカフェなんて初めて見た…お前知ってた?」




すると、永井くんが私に話しかけてくる。



ちゃんと普通に話さなきゃ。

せっかく、私なんかと行動してくれてるんだから…


ってゆうか、なんで私と一緒にいてくれてるの?

あ!

陽葵ちゃんと、稲瀬くんに気を使ったのかな…







「…聞いてる?」

「えっ、あ…ごめん!…私も初めて見た!噂では知ってたんだけど」

「ヅラにゃんこって、最初はゲームしかなかったけど、今は人気カフェまで出来るほど人気なんだな」

「永井くん…ヅラにゃんこ知ってるの?」


どちらかというと、ヅラにゃんこって女の子に人気なのに…






「知ってる。俺はゲームしかやってねえけど…」

「え、ゲームやってるの!?ヅラにゃんこ戦争?」

「ああ。お前も?」

「やってるよ!陽葵ちゃんもね!」

「ふーん…あれおもしろいよな。俺今、チョンマゲのぶにゃがと戦ってて…」

「うそ!レベル高い…私まだ家康にゃんこで…」

「家康はコツがあるんだよ」


待っている間、永井くんとゲームの話で盛り上がる。

おかげで時間があっという間に経ち、私たちの順番になり、飲み物を買った。






「永井くんありがとう」


ジュースおごってもらっちゃった…

陽葵ちゃんにおみやげとして買おうと思ってた、ヅラにゃんこの人形焼きも。





「いいよ。たいしたもんじゃないし」

「そんな…」


男の子に、おごってもらったのも初めてだな…
< 152 / 246 >

この作品をシェア

pagetop