クールな彼と放課後の恋
「…ふーん」


ちらっと香穂ちゃんを見ると、ちょっと嫌な顔をしていた。

だけど、今はそれは置いておいて…




「行くぞ」

「え、あ、うん…ごめんね、香穂ちゃん…またヅラにゃんこカフェ行ってもいい?」


先に歩き出す稲瀬。

私は香穂ちゃんの腕を、軽く引っ張った。






「い、いいよ!私はこの辺フラフラしてるから、二人で行ってきなよっ」




私の背中を押す香穂ちゃん。




「そんなわけにいかないよっ!香穂ちゃん一人になんて出来ないって。それに…カフェの場所わかんないし…」

「でも…」

「気を使ってくれるのは嬉しいけど、香穂ちゃんを一人にしてまで、稲瀬と二人きりになりたくないよ…」


そういうの、好きじゃないかも…

稲瀬とは一緒に住んでるんだし、いつも一緒にいられるんだから…




「陽葵ちゃん、ラブっ!」

「私もラブっ!」


ぎゅうーと抱き合う、私と香穂ちゃん。

少し離れたところで、稲瀬が「早く来いよ」と言って、苦笑いしていた。


私たちは稲瀬に小走りで近寄り、3人でヅラにゃんこカフェに向かい、飲み物と軽食を買った。







「空いてて良かったね」

「さっきはすごい混んでたんだよ?」

「そうなの?じゃあ、時間的にタイミング良かったのかなー」


3人でカフェのフードコートに座る。





「メニュー全部にヅラにゃんこがプリントされてて、可愛いね♪写メ撮ろうー」


私と香穂ちゃんはスマホを出して、買ったもの全てを写メで撮った。




「…早く食いたいんだけど…」

「もうちょっと!」


お腹が空いてる稲瀬が、写メを撮る私たちに小言を言う。




「はい、いいよー食べて下さい」

「…やっとだな。つーか外で食わね?ここにいるの、すげえ恥ずかしいんだけど…」

「ダメ!このカフェにいること事態がレアなんだから!今度いつこれるかわかんないし…」

「・・・・・」


ハンバーガーを食べながら、私の言葉に呆れる稲瀬。

それを見て、アイスを食べている香穂ちゃんがクスクス笑った。



この3人でいるのって、なんかほんわかしてていいな~

落ち着くし…



私はゆとりある気持ちで、ポテトを2、3本頬張った。






「あ、いたいた~悠ー!」


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