クールな彼と放課後の恋
稲瀬が連れてきてくれた場所は、ベンチがたくさんあるフロアーで、壁一面にきれいな電光のイルミネーションが飾られているとこだった。


そこにはカップルが多く、私と稲瀬は一番端のベンチに腰かけた。

繋いでいた私たちの手は、その時自然に離れる…




稲瀬と手繋いじゃった…

すごい大きい手だった…

ゴツゴツしてて、指も長いし…


男の人の手ってこうなんだ…






「さっきちらっとパンフ見たとき、ここ見つけたんだ…」

「そうなんだ…稲瀬にしては珍しいね。こんなとこ来るなんて…」

「お前に見せたかったからに決まってんだろ」

「えっ…」



ななな、なんだって…!?

今なんて言った?





「つーか大丈夫か?愛美のやつに、色々やられてただろ。周りのこと考えて、あえて気づいてないフリしてたんだけど…さすがに我慢出来なくて…」

「かばってくれて嬉しかった…でも大丈夫なのかな?愛美ちゃんすごくショック受けてたけど…」



愛美ちゃんは、まだ稲瀬のこと好きなんだもんね…

あの子意地悪かもしれないけど、稲瀬のこと好きなのは私と同じだし…






「愛美なんてどうでもいい。あんなのはほっとけよ」

「…うん」


冷たくて、怖い言い方…

ちょっとだけ愛美ちゃんをかわいそうだと思ってしまう私は、お人好しなのかなぁ。




「それより…お前に聞きたいことがあるんだけど…」

「うん?何?あ…そうだ、ガム食べる?」


さっきヅラにゃんこカフェで売ってたやつ~♪




「…緊張感ねえな」

「え?」


先にガムを口に入れると、稲瀬は呆れたような顔をした。





「緊張感て…何が?」

「…」


口をモグモグさせると、稲瀬の顔は更にあきれ返る。











「俺のことどう思ってる?」


「…!」





突然の質問に…


時間が止まった気がした…



周りにいるカップルたちも、

子供や家族連れも、

私の視界に入ってない…
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