クールな彼と放課後の恋
稲瀬はかなりの量の荷物を持ってくれているのに、これ以上持たせたら悪いよ…




「もうすぐ家だから持つって言ってんの」

「でも…」

「これからママにご飯作ってもらうのに、疲れられたら困ると思ってさ」

「だ、誰がママよ!」

「ハハハ」


目を細めて笑う稲瀬。




好き…

本当に好き…


この気持ち…

伝わらないのかな…


ってゆうか、どうやって伝えたらいいの?

恋愛は学校と違って、教えてくれる先生がいないから困る。


初心者はどうしたらいいのかわからないことだらけだもん…

誰が教えてよ…









「いっただっきま~す!」




激安スーパーで買った食材で作った料理を、みんなで囲む。





「ってゆうか、なんであんたがいるわけ?」


リビングのテーブルに、永井の姿が…

永井は箸とお茶碗を持って、キョトンと私を見つめた。





「いーだろ、べつに。夕飯くらい食ったって」

「あんたはさっき、香穂と帰ったじゃん!」

「香穂は今日…親戚の人と飯食いに行くみたいだから、真っ直ぐ帰ったよ。居候してる俺の親戚の兄ちゃんは、今日家に彼女が来るから帰って来んなって言うだもん。だから今日は泊まっていいだろ?な、悠??お前の部屋で寝かせてよ♥」


うるうると目をうるませる永井に、稲瀬は「うん…」と苦笑い。




ご飯食べるだけじゃなくて、泊まっていくわけ…!?

どんだけ図々しいんだ!

…ったく。









カチャカチャ



夕食後

日向と私はキッチンで後片付け。

稲瀬と修君と永井は、リビングでテレビを観ていた。





「あとゴミ捨てだけだから、先にお風呂入っちゃえば?」

「うん!じゃあそうするね」


私はお言葉に甘えて、手を洗ったあと、2階に駆け上がって自分の部屋から着替えを取りバスルームへ入った。
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