クールな彼と放課後の恋

文化祭

一学期の学校行事は“体育祭”。

昔は秋に体育祭をやっていたけど、今は5月にやる学校が多い。

だから今は二学期といえば、体育祭よりも文化祭が頭に浮かぶようになってきた…




「では、文化祭は焼きそばの屋台をやることになりました。売り子係と買い出し係、あと調理係ごとに集まってください」


学級委員の声で、生徒たちがそれぞれ係ごとに集まる。



火事から3日後。

私は意外と元気で、昨日から普通に学校に登校していた。


家の修理には最低でも2ヶ月はかかるみたいで、家の修理は全てお母さん任せなのだが、お母さんはこれを期に『リフォームしたい♪』と言い出し…

私と日向はきっと2ヶ月以上かかるだろうと…半分諦めていた。


稲瀬は『好きなだけここに住んでもいい』と言ってくれていて、私たちはそれに甘えて住まわせてもらっている。

稲瀬の家で家事をして、料理やお弁当作り、稲瀬と一緒に登校する。


稲瀬の家から登校するというだけで、なんとも恥ずかしい気持ちになっていた。

なんだか彼氏の家から、学校に通っている感覚に近いのかも…





「陽葵」

「…!香穂」


係ごとに集まる場所に行くと、隣に香穂がやってきた。




「うちのクラスの出し物、焼きそば屋に決まったね☆」

「ね♪まあまあ、いいかも♡私作るの好きだしー」

「私も得意じゃないけど、頑張る!」

「香穂はお菓子作り得意だから、料理の方も大丈夫だって!」


私と香穂は、調理係になった。

売るの苦手だし、買い出しも微妙だし、調理が一番自分に向いていたから。




稲瀬はというと・・・






「じゃあ稲瀬くんと永井くんは、私たちと買い出しね~♥」

「稲瀬くん頭いいし頼りになるから、お金の管理お願い♪」


買い出し係の女子たちに、稲瀬と永井は囲まれていた。

私はちらっとその光景をみたあと、そっと目をそらした…




稲瀬が調理係を選ぶとは思わなったけど…

まあ、調理係はみんな女の子だしね。


売る感じでもないし、買い出し係を選んだのは納得できる。



でも、やっぱり同じ係が良かったなぁ…

誰でも好きな人と一緒の係になりたいのは、当たり前だよ。
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