クールな彼と放課後の恋
その辺て…?



「ごめんね陽葵ちゃん…引っ越しなんて全部嘘なのよ」

「え!?嘘!!?なんで嘘?」


嘘ってどういうこと?

頭が混乱して、わからなくなっている私…





「あんたが私に隠し事するからよ!悠くんと付き合ってるくせに、お母さんに内緒にしてたでしょ?」

「え…」


お母さん、知ってたの!?




「私たちは離れて暮らしてるけど、お互い秘密はなしの約束でしょ!?」

「そ、そうだけど…タイミングがあるでしょ!」

「ない。付き合ってすぐ言うべきよ!お母さんは、日向から聞いたんだから」

「え!?日向知ってたの!?」


振り向くと、日向はハァとため息をついた。




「知ってるよ~お姉ちゃんわかりやすいもん。私にも秘密にするなんて、結構ショックだったんですけど…」


う…


ちょっと怒ったような口調でそう言って、口を尖らせる日向。

私は「ご、ごめんね…」と小声で言った。




日向にも悠と付き合ったことを言わなかったのは、単に恥ずかしかったからだ…

恋愛経験0だから、好きな人のことをしかも妹に言うなんて…考えただけで、顔から火が出そうだ。

ただでさえ、お母さんに知られたことで超恥ずかしいのに…





「ちょっとからかってやろうと思っただけなのに、まさか家を飛び出すとは思ってなかったわよ~あはは」


ケラケラと笑うお母さんを見て、恥ずかしさと同時に、腹の底から怒りが煮えてきた。





「バカァ!!!!もう知らないっっ!」

「ちょっ…お姉ちゃん!」


私はお母さんにそう叫んだあと、自分の部屋に行き荷物をまとめ、また家を飛び出した。

玄関で日向と修くんに止められたけど、私は聞く耳を持たず、家を出て行った…



お母さんに笑われて怒っていたのもあるけど、本当は自分のしてしまった行動がすごく恥ずかしかったから、今日は家にいたくなった。
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