クールな彼と放課後の恋
私も自分の気持ちを伝えたかった…

行動だけじゃなく、言葉でちゃんと伝えなくちゃいけないことってあると思う。それが今だよ…




「東京に引っ越したくなかったのは…一番は悠と離れたくなかったの…離れてたって悠を好きでいられる自信はあるけど・・・やっぱり側にいてくれないと寂しい…」


死ぬほど恥ずかしいけど、これが私の素直な気持ち…

ちゃんと言葉にして、悠に言いたかったから…言わないと伝わらないと思うし…

さっき公園でもちらっと言ったけど、悠も言ってくれたんだから、自分からも言わなきゃね。





「ここが密室じゃなくて残念…」

「え?」


…どういうこと?


俯いていた顔を上げると、悠はストローでジュースを飲みながらニヤリと笑ってこっちを向いた。





「密室だったら…押し倒してたとこだから」

「なっ……!」


顔だけじゃなく耳まで真っ赤になる私を見て、悠はクスクスと笑った。


1枚も2枚も上手の悠に、私はやられっぱなし…

こんなんで…身が持つだろうか……








「これからどうする?」


食事を終えると、悠は飲み物を飲みながら窓の外を眺めて言った。

家を出て約2時間…一回目を入れるとトータルで4時間は過ぎている…




「このまま帰らないのは、さすがにまずいよね…」


でも帰ったら、どうせまたお母さんにからかわれるに決まってる。

それをわかっているから、帰りたくない気持ちもあるんだけどね…





「…泊まってく?」

「えっ!ど、どこに!!?」


こんな冬に…しかも高校生の私たちに、泊まる場所なんてあるの?





チャリ…


「そ、それって…」




悠がポケットから出した鍵を見て、私は驚いたと同時に胸が高鳴った。
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