クールな彼と放課後の恋
「ねえ…本当に入って大丈夫なの?」


ファーストフード店を後にして、私と悠がやって来たのは…以前暮らしていた私の自宅の一軒家。火事があってから何度か荷物や着替えを取りに来たくらいで、すっかりご無沙汰になっていた。

焼けた家の壁や屋根は既に修理済みだが、お母さんがこれを期に家の中をリフォームしている為、まだ住めないのが現状。




「…大丈夫だろ。リフォームしてるのは2階なんだろ?1階と水周りは使えるんだし、それに今日は休みだから…一泊するくらい問題ねえよ」

「う、うん…」


軽い口調で言って、悠は鍵を開けてドアを開けた。






「ただいま…って一応言うべき?」

「ハハ」


玄関で靴を脱ぎ、悠と会話しながら家の中へ入る。リビングに行くと、懐かしいわが家の光景を思い出した…

悠の家にお世話になる前と家の中はあまり変わっていなかったが、人が生活していないせいか、なんだか少し寂しい感じがする。




「なんか懐かしいな…」

「確かに。ここでこの間まで暮らしてたんだよな…いつの間にか、本当に自分の家みたいに思ってた…」

「悠…」


部屋をじっくりの眺め、私たちはお互いにぎゅっと手を握った。

悠の家の生活も大好きだけど…ここからの生活が私たち始まりだったから、やっぱりどこか特別だ。



「家のリフォームが終わったら…またここに戻って来よう」

「…うん、そうだね」


日向も修くんも、きっと賛成してくれるよね。





「…ん…………ぁ」


不意をつかれたように私にキスをしてくる悠は、いつもよりも大人でどこか積極的なキス…

悠の唇は私の熱をおびた唇を覆い、時々リップ音を立てて、完全に支配されている状態。そしてそのまま舌を
私の中に絡め、どんどん深くなっていく。


こんなキス…もうダメ……




ふぁっと息継ぎをすると、悠が余裕の笑みを浮かべクスッと笑う。




「涙目になってる…」

「え、嘘っ」


片目を指で拭うと、指先に涙がついている。





「本当だ…」


は、恥ずかしい…と顔を赤らめ俯く。




「今のキス…泣くほど嬉しかったか」

「なっ…」
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