クールな彼と放課後の恋
そう言うと稲瀬は花壇に座った。

そしてかばんからコンビニの袋らしきものを出す。



ここでお昼食べるのか…

そっか。
初めて会ったあの日もここでお昼食べてたもんね…


私は教室戻らなきゃ。

いつも食べる友達がいるし…





「憂鬱そうな顔…」



ビクッ


すると、稲瀬がパンの袋を開けながら言った。



嘘、顔に出てた…!?




「気の合わない奴らと飯食うなんて俺は御免だな。だったら一人で食った方がマシ」

「…何でそんなこと言うの?」


ゆっくりと稲瀬に近づく。




「あいつらといる時のお前の顔…しんどそうだから」

「み、見てたの…?」

「ここ数日間はお前を観察してた」

「…なにそれ」


私は稲瀬の隣に人1人分くらいの間隔をあけて座る。




「だって…まだお前しか知り合いないからお前に自然と目が行く」

「あ、そっか…風邪ひいてたんだっけ?中学一緒の人とかいないの?」

「いない。中学卒業して東京からこっちに引っ越して来た」

「あ、そうなの?」
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