クールな彼と放課後の恋
友達には後で適当に言い訳しとけばいいよね…

正直あの子たちよりも稲瀬といた方がまだ楽だ。


お弁当箱を開け箸を手に持つ。



「…女の弁当って感じ」


お弁当を開けると、
横で稲瀬がボソッと言った。




「これ妹が作ったの。妹はキャラ弁とか得意なんだよね」


今日の私のお弁当はかわいらしい盛り付け。



「料理好きな妹だな」

「まあ料理は好きなんじゃない?うち母子家庭で親が仕事であんまり家にいないから…私も妹もちっちゃい頃から料理してたし、自然に料理好きになったのかも」

「……あ、そっち?」


少し驚いたような顔をする稲瀬。




「家事と自炊を妹と協力してやってお弁当は交代で作ってるの。今日は妹が当番だったから、妹が作ったやつ…」

「ふーん…」


・・・・。


ちょっと素っ気ない。

ま、私の家のことなんて別に興味ないか…




「お前が作った方も見てみたいけど…」

「え……」


み、見てみたいって…



少しドキドキする私。
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