クールな彼と放課後の恋
「妹が作ったやつと比べたいから」


そっちかい!

どうせ私が作ったやつより、
妹が作ったやつの方がかわいいですよ…




「でも料理してるのはいいと思う。女が料理してるとこは好き」


稲瀬が『好き』って言うと…

なんか妙に意識してしまう。




「…よ、良かったら食べて。私いつも残すから……全部食べ切れないし…」

「え…」


稲瀬にお弁当をぐっと差し出した。

恥ずかしさをごまかすように、
必死で冷静な顔をする。




「・・・・・」

「…ま、いらないならいいけどっ」

「いや。妹が作ったなら貰っとくよ」

「なっ……!」


なにそれっ!

私が作ったやつだったら、
いらないってこと!!?




「冗談だよ。ありがと」

「あ……」


稲瀬は炊き込みご飯のおにぎりを1つ取って、そう言ってまたフワッと笑った。


昨日のあの笑顔と同じ…





放課後


「陽葵ちゃん大丈夫?」

「病院行った方がいいって」

「そんなに体弱いって知らなかったよ…」

「ご、ごめん…」


HRが終わると、
私の席の周りに友達が集まってきた。

昼休みに教室に戻らなかった理由を『具合が悪くて保健室にいた』ことにしたら、友達が私をかなり心配してしまったのだ…
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