クールな彼と放課後の恋
先生の一番こだわるところはきっとそこなんだね。

校長に怒られたくないんだ…




「ってことで、今から放課後の花壇のお世話よろしくー」

「………はい」

「・・・はぃ」


先生はそう言って、
鼻歌を歌いながら教室から出て行った。



あの先生本当怖い…

でも逆に言えば面白いのかな。




「本当変わった人だよな」


隣にいた稲瀬が、
先生の後ろ姿を見てそう言った。




「ね。校長に怒られたくないからって素直に言えばいいのに…でも、校長先生ってそんなに学校の園芸にうるさいのかな?」

「この前裏庭に向かう途中…他のクラスの奴らが校庭の木の手入れしてんの見たけど…担任らしき奴に俺らと同じこと言われてた…」

「え、本当?」

「校長が相当うるさいから、教師たちも必死こいて生徒に言うんだろ」

「そっかー」


そんなこと聞いたら、
ますますヘマできないね…





「カバン取ってくるから待ってて」

「……!」


そう言って自分の席に戻る稲瀬。



な、なに今の…

これから一緒に帰るみたいな言い方……




「行くぞ」

「へ、あ…はい」


すぐに稲瀬がカバンを持って戻ってきて、
私たちは一緒に教室を出た。
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