クールな彼と放課後の恋
その日から卒業式まで
私はずっと一人で過ごした。

幸いにもこの高校を受験したのは
私の中学では私だけだった為、

私の過去を知っている人は
ここには誰もいない。


ここからまた新しく踏み出さないと…

もうあんな思いは絶対にしたくないから……





「陽葵ちゃん?」

「え、あ…ごめん」


ヤバ。
つい昔のこと思い出してぼーっとしてた…



「陽葵ちゃんグロス変えた?」

「え?あ、うん!この前いいって言ってたやつにしたよ」

「やっぱり?あの色いいよねー♪」

本当はそれほど気に入ってなかったけど、
この子からあれだけ押されたからつい買ってしまった…


印象良くそして相手を傷つけないようにしないと…

それが友達とうまくやるってことだよね?


超不安だった高校生活だったけど
こうやって友達が出来たんだもん!

ヘマしないようにしないと!


またあの時みたいに
ハブられたら嫌だもん…





翌日


「今日はハンドボールやるぞー」


体育の先生が腕を回す。


今日の6時間目は私の嫌いな体育だった。


ハンドボール?

うげ、最悪…



「ハンドボールだって♪」

「よし気合いいれよー」


仲いい子たちは
なんだかみんな張り切っている様子。
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