クールな彼と放課後の恋
日向に顔をぐっと近づける。



「“あいつって昔からそそっかしいの?”とか…“あいつ見てると面白い”とか…」


なにそれ。

私の話って悪口ですか?


日向が稲瀬と話した会話の一部を、
私に話してくれた…





『お姉ちゃん学校じゃ大人しくないですか?姿消してるっていうか…』

『あいつ一見つんとしてクールに見えるけど、本当はコロコロ表情変えるよな。わかりやすいっていうか…』

『そうなんです(笑)お姉ちゃん実は超わかりやすいんですよね』

『授業中とかなに考えてんのかは知らねえけど、口開けて色んな表情してるよ』

『あはは…想像つく♪』




なによあんたたち…

影でそんな会話してたわけー?




「お兄さんお姉ちゃんのことよく見てるんだねえ。好きじゃなかったらそんなことしなくない?」

「そういうんじゃないって!あいつこっちに引っ越してきて、まだ私ししか知り合いいないからだよ!」


前に私のこと『委員会のお友達』だって言ってたし…




「ふぅ~……」


日向は深~いため息をついて、
湯船のお湯をそっと肩にかけた。




「なによその、ふぅってのはっっ!」
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