クールな彼と放課後の恋
「売ってるよ。私、駅前の100均で買ったんだもん」

「じゃー行こ。俺も買いたい」




行こうって…

私も一緒…に?




「早くしろよ」

「その前にこれ!いつまで、持たしておく気?」


私は預かっていた缶ジュースを、稲瀬に差し出した。




「それお前のだよ。俺のはこれ」

「えっ…」


稲瀬はそう言って、ズボンのポケットから缶コーヒーを出した。




私にも買ってくれたんだ…



「ありがと。お金払うよ…」

「は?いいよ(汗)それより、早く行こうぜ」


カバンを肩にかけ、稲瀬は私よりも先に裏庭から出ていった。




「待ってよ」


私は缶ジュースを握りしめて、稲瀬を追いかけた。







がやがや


そして、学校の最寄り駅の駅ナカにある、100均にやって来た私と稲瀬。



「わあ、これ便利~♪」


お店に入るなり、私はキッチン用品のコーナーで、便利そうなグッズを手に取った。




「主婦だな」

「う…(汗)」


キッチングッズに食いつく私を見て、稲瀬がそう言った。



どうせ私は、庶民的ですよ…

高校生らしくないですよ…




「…で、扇風機はどこ?」


稲瀬は、店内を見渡した。



「ああ、確かあっちだよ」


私と稲瀬は、扇風機売り場を探した。
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