クールな彼と放課後の恋
集めてないなら別にいいじゃん!



「このパン俺のだから」


無表情でそう言い、
スマホを出して自分の世界に入り始める男子。




「そ、そーですか!もういいです。お邪魔しました」


私はパンを置き、
くるっと後ろを向いて小走りで裏庭を出て行った。




なんなのあいつ!

シールくらいくれてもいいじゃん!



中庭を歩きながらプンプン怒る私。



あーあ、あと少しなのに…

しかもあのパン人気だから、
あんまり売ってないんだよね…

早くしないと締め切り過ぎちゃうよ…




それにしても今の男子って…
何年生だろ?


すごいイケメンで大人っぽくて
目立つ感じだったな…

だから多分先輩だよね。


あ!先輩なのにタメ口きいちゃった。

ま、いいか。

シールくれないケチやろうだったし、
敬語なんて使う必要ないよ。



キーンコーン

カーンコーン

ちょうどチャイムが鳴り
私は教室に戻ることにした。
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