クールな彼と放課後の恋
まただ…

こう何日も続くと、さすがに気持ち悪いな…




「…今のは、俺にもわかった」

「えっ」


隣にいる稲瀬が、無表情のままそう言った。




「もしかして…気づいてたの?」

「なんとなく。お前の顔見てればわかる」



…嘘(汗)

私って、そんなにわかりやすいの?





「ここんとこ、誰かにつけられてんだろ?」

「…つけられてるのかな?でも、視線は感じるんだよね。家の近くとかでも」

「じゃあ、つけられてるんだよ」

「え゛…」


急に怖くなってきた…





「とりあえず、一人にならない方がいい」

「…う、うん」

「今日お前んちで、見張ってやるよ。もしかしたら、捕まえられるかも」

「…………」


なんか、急に大事になっちゃった…

大丈夫かな?











「ええ!お姉ちゃんにストーカー!!?」


日向が大声を出す。



半分冗談だと思ったのに、稲瀬はあれから家にやって来て、家の中から外を見張ってくれた。

途中で日向と修君も帰ってきて、今はとりあえず夕食中…


私が誰かにつけられてると聞いて、日向は心配そうに声をあげた。





「ストーカーじゃないって!男かもわかんないし…」

「わかんないじゃん!お姉ちゃんのこと好きな男子が、ストーカーしてるってことも…」

「ないない」


私は全力で否定する。





「でも、とりあえず、犯人が誰かだけでも知った方がよくね?あ、おかわり♪」


空になったお茶碗を、私に差し出す修君。

私は「うん」と言って、お茶碗にご飯をよそった。





「本当怖い…最近ストーカーに殺されるニュース多いし」


日向が、本気の心配モードになる。





「まだ、ストーカーされてるって決まったわけじゃないって(汗)私の勘違いかも」

「…いや、勘違いではないと思う」

「…!」


稲瀬が会話に割って入った。
< 90 / 246 >

この作品をシェア

pagetop