クールな彼と放課後の恋
「…どういうこと?」


日向が稲瀬に聞く。




「さっき電車で視線を感じた方に、何人かうちの学校の制服着た女がいた…多分、その中の誰かが…お前をつけてる…」

「…つけてるって、どうしてわかるの?」


私は修君にお茶碗を渡し、席についた。





「さっきの委員会で、中庭の水道で手洗ってた時…視線を感じて振り返ったんだ…そしたら、女が柱に隠れたのが見えた…」

「嘘…」


女の子が!?




「なんで言ってくれなかったの!?」

「言ったら、お前騒ぐだろ。相手の尻尾つかむ為にも、あおんなきゃ」

「・・・(汗)」


この人探偵ですか…?






カチャ

カチャ…


そして夕食後

私は流しで皿洗い、稲瀬と修君と日和は…キッチンの窓から、外を眺めている。






「兄ちゃん…つけてた女って、どんな感じ…?」

「一瞬だったからわかんね…」

「女のストーカーなんて、ますます怖い…」


3人はそんな会話をしながら、外を見張っている。



みんなの行為はありがたいけど…

さすがに今日は、もう現れないと思うけどなぁ…


時間だって、もう8時過ぎてるし…





「…あ。あいつだ」



えっ





稲瀬が、勢いよく外に出る。






「兄ちゃん待って!」

「私もっ」



え、ちょっと待って…



泡だらけの手を洗い、一足出遅れてながら、玄関で靴を履いて外に飛び出した私。






「稲瀬ー?」





外に出て、辺りをキョロキョロと見渡す。

すると数メートル先で、3人が固まっているのが見えた…

私は小走りで近づく。






「…っ!」


3人に近づくと…稲瀬の隣に、見覚えのある女子が、制服姿で気まずそうに立っていた。

私の存在に気づくと…その子は、もっと気まずそうな顔をする。





「…さ、笹山さん!?」


その女の子は、同じクラスの笹山さんだった。
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