クールな彼と放課後の恋
「昨日LINEで聞いてたやつは、見つけたの?」

「あ、これ!でも買う前に、ちょっと本でも見ようかなーって…稲瀬は?」

「通りかかったらお前が見えたから、寄った。どうせ遅刻だったし」

「そう…」


私を見かけて、声かけてくれたんだ…

ちょっと嬉しいかも。




「それに弁当もらいたかったし…」

「あーはいはい(汗)とりあえず、これ買ってくるから待ってて」


私は手に持っているものをレジで買い、稲瀬のところに戻ってきた。





「お待たせ…あと、はいお弁当」


戻ってきたのと同時に、稲瀬にお弁当を渡す。




「ありがと。じゃあ行く?」

「そうだね…今日は一時間遅れだ」

「1時間目なんだっけ?」

「体育だよ(汗)だからサボったの」


体育苦手なんだもん。


稲瀬と会話をしながら、駅に向かって歩き出す。


自然に…一緒に登校する形になった…

なんだかんだで、昨日はあんまり話せなかったから…

ちょっと嬉しいかも。




「そういえば、笹山から連絡きた?」

「あ、きたきた!稲瀬が笹山さんに、私の連絡先教えてくれたんでしょ?」

「うん。聞かれたとき、迷ったんだけど…笹山なら平気かなって」

「昨日LINEきて、すごい盛り上がっちゃったんだよ♪笹山さんも、ヅラにゃんこ好きなんだってー」

「へえ…(汗)」


最近、稲瀬にはおもいっきり素を出してるな私…

なぜか稲瀬には、素でいられるの…


男とか、どちらかっていうと苦手なのに…不思議だな…










「まだ皆いないね」


学校に着くと、教室には誰も居なかった。

まだ授業が終わるまで数分あるから、みんな体育から戻ってきてないみたい…
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