貴方のお願い叶えます。
「そっか」
笑顔で一言。
気にしてないように。
いつもの笑顔。
「1年しか生きられないんだぞ?」
「その1年を幸せに暮らせればいいんじゃないかなー」
変な奴。
たった1年で何が出来るんだ…?
私の1年なんて…一瞬なのに。
「馬鹿馬鹿しい。ほら、そろそろ帰らなきゃお家の人心配するぞ」
「心配なんてしない」
小さく言ったファインの目は光がなかったように見えた。
腕や足の傷、打撲傷が関係あるのか……?
「…今日だけ此処に泊まるか?」
「いいの?!」
一つ頷けばファインの顔は明るくなる。
単純だなぁなんて思ってみる。
そうだ。
ベッドがない…。
「あー、私床で寝るからベッドで寝ていーよ」
この前床掃除したし、汚くはないから大丈夫だろ。
…あれ?
何で私がこんなにもこいつに尽くしてるんだろう。
こいつはただのお客様なのに。
「床はダメ!休めないよ!」
「だが他に寝る場所は…」
「一緒にベッド!!」
まぁダブルベッドだから大丈夫……
大丈夫じゃない!!!!
い、いくら600歳以上年の差があっても!!
私の身体は16歳で止まっている訳で!!!
「クッソ…魔法を初めて恨む……」
「どーしたの?」
「なんでもなーい!!!」
部屋を軽く片付けて先に寝ちゃおう。
そうすれば何も思うことはないさ。