貴方のお願い叶えます。












「そっか」















笑顔で一言。


気にしてないように。


いつもの笑顔。




「1年しか生きられないんだぞ?」


「その1年を幸せに暮らせればいいんじゃないかなー」




変な奴。


たった1年で何が出来るんだ…?


私の1年なんて…一瞬なのに。



「馬鹿馬鹿しい。ほら、そろそろ帰らなきゃお家の人心配するぞ」


「心配なんてしない」




小さく言ったファインの目は光がなかったように見えた。


腕や足の傷、打撲傷が関係あるのか……?




「…今日だけ此処に泊まるか?」


「いいの?!」




一つ頷けばファインの顔は明るくなる。


単純だなぁなんて思ってみる。

そうだ。


ベッドがない…。




「あー、私床で寝るからベッドで寝ていーよ」




この前床掃除したし、汚くはないから大丈夫だろ。


…あれ?


何で私がこんなにもこいつに尽くしてるんだろう。


こいつはただのお客様なのに。




「床はダメ!休めないよ!」


「だが他に寝る場所は…」


「一緒にベッド!!」




まぁダブルベッドだから大丈夫……


大丈夫じゃない!!!!


い、いくら600歳以上年の差があっても!!


私の身体は16歳で止まっている訳で!!!




「クッソ…魔法を初めて恨む……」


「どーしたの?」


「なんでもなーい!!!」










部屋を軽く片付けて先に寝ちゃおう。


そうすれば何も思うことはないさ。
< 6 / 10 >

この作品をシェア

pagetop