貴方のお願い叶えます。
窓から射す日の光。


それは私たちの寝るベッドに射し込む。



眩しい。







「ん……おはよぉ」


「あぁ、おはよ。すぐ朝食作るから顔洗ってこい」




まだ寝ぼけているファインを置いてキッチンへ。


朝食なんて作るの何百年ぶりだろう。


私は朝食を食べない派。


でも、料理には自信があるから朝食作りは朝飯前。



卵の焼ける音。


特徴的な香り。


チンッ―――とトーストの焼ける音。





「ファインーできた…よ……」



リビングを覗いてみると食卓の上で寝息をたてていた。


可愛らしい寝顔。


この寝顔を見れるのは私の人生ではほんの一瞬。


どうせ忘れちゃうんだ。




「おきろー、朝食だぞー」


「…ん………あっ!!美味しそう!!」




いただきますも言わずに食事に手をつける。


余程お腹空いていたのかな。


どうしようか、


今日も泊めるわけにはいかないだろうし。


親御さんも心配…しないとは言っていたが『親の心子知らず』なんて言うしな。




「今日はちゃんと家帰るんだぞ?」


「嫌、ずっとここにいる」


「ダメだー!そんなに住みたいなら魔法が使えるようになるか親の許可を得てこい!」


「…………じゃぁ魔法使えるようにして」




何をいきなり言い出すか、なんて思ってしまう。


理由なんて私には解らない。


放っておけない。


でも寿命を奪うわけにはいかない。




「ダメだ。ちゃんと親の許可を…」





――――…分からず屋





今ここにいたファインはもういない。


一言置いて出ていってしまったから。
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