春川家の5兄妹












「サク…
何があった?」









そう聞くとサクはまた小さく
「龍王子ななだよ」
そう言った









はっ?と聞き返したが
「凪ちゃん…
お兄ちゃんには?」









そう凪ちゃんに話しかけた
凪ちゃんは首よ横に振り
「血が繋がってはいませんし大したことでもないです
心配かけるわけにもいきません」









そう言い立ち上がろうとした凪ちゃんは足がもつれたのか地面に尻餅をついた
「大丈夫っ‼︎」
サクは大慌てで駆け寄る









俺は
「おい、サク。
何なんだよ何があったんだよ」









そう聞くとサクは凪ちゃんを見てから
「龍王子ななって知ってるだろ?」
そう問われて俺は首を横に振った
「知らん」









そう言うと呆れながら
「この地域一帯をしめている偉いとこのお嬢さんだよ
龍王子家の1人娘。
有名だよ」
そう微笑まれて








「そのお偉いさんがどうかしたのか?」
そう聞くと頷きながら
「今行ったので1番偉そうにしてたのがそいつだ
話によると凪ちゃんは笑わなかっただけで
自分を見下してるだの
自分たちには関心がないだの
目つきがやだとか言われて







イジメられてるらしいよ…
でも、誰にも言ってなくて
何をされても怒らないし泣かないしチクらないから
多分ずっと前からでしょ?」









そう言い凪ちゃんをみると静かになんともないという顔で頷いていた









俺は思いつきで
「笑ってみろよ
一回でいいから」
そう言うと
「すいません
それは出来ません」









そう言うから
サクと一緒にその休み時間笑わせようと頑張ったが一度も笑わないまま今日は終わった















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